キャンパートレーラーで旅してみる?

「リタイヤしたら1年くらい旅しながら生活しよう。RVなんていいかもね」それが15年以上前。
 
夫があと1〜2年でリタイヤしようと決めた頃、その話が再浮上した。キャンパートレーラを買って1年くらいアメリカ国内を旅しよう。リタイヤしたらその年に。ワクワク。どんなキャンパーがいいかなぁ。どんな旅のスタイルがいいかなぁ。RV生活をしている人たちのYouTubeを観ては夢がふくらんだ。
 
RVといってもタイプもサイズも価格もとにかくさまざま。私たちの場合、一番の制約はやっぱり価格。大きいものから見てしまうと絶対にそれがほしくなるから、現実的な使い勝手と予算を考えて、それに見合うものしか見ないことにした。
 
どんなタイプにするか。バスみたいなタイプにして後ろに車を引っ張ることも考えないでもなかったけれど、あのタイプはやっぱり高いし、大きすぎる。旅先でも移動しやすいピックアップトラックで引っ張るタイプのトレーラーにすることにした。
 
持っていたシビックとCR-Vを売って引っ張るためのトラックを調達したら、車はしばらく二人で一台体制。あまり大きなトラックだと私が運転できないから、ということで必然的にトレーラーは快適に暮らせる最小サイズになった。
 
そんな頃にブーンドッキングなる言葉に遭遇。大自然の中で電気にも水道にも繋がず完全自立で暮らすこと。ドライキャンピングともいうらしい。砂浜や高台、広大な大自然の中でキャンパー生活をする人たちを見て、夢はどんどん膨らんでいく。私たちもこれをする! そう心に決めた。
 
当時観ていたYouTubeチャンネルの影響もあって、最初は地元オハイオのエアストリームが出しているオフロード仕様のベースキャンプにするつもりだった。ソーラーパネルもついているし、小ぶりで引っ張りやすそう。でもトイレとシャワーが兼用のウェットバスで、手を洗うためのシンクがない。オーニングもオプション。 
 
オフロードタイプで自分たちの予算に見合うものとなると、選択肢はあと一つか二つ。夫がこれがいいんじゃないと言ったもう一つがブラックシリーズのHQ19。オーストラリア生まれのオフロード仕様のキャンパートレーラー。トイレとシャワーが別々で、大きな鏡のある普通の洗面所がある。冷蔵庫も冷凍庫が別になった大きめのサイズで、オーニングも標準装備。外のキッチンもあるし、小さな洗濯機までついている。再販価格が安いとはいえ、私の心はこっちに大きく傾いた。
くろちゃん
 
実物を見比べても、やっぱりこっちがいい。最初は出発の1年くらい前に注文したらちょうどいいかなと話していたのに、半額セールに目が眩んで衝動買い。駐車場代を払ってどこかに1年預けたとしても十分お釣りがくる算段でいた。
 
今振り返ると、オフロード仕様しか見なかった理由がよくわからない。大自然の中に行きたくなった時に行けるようにと思っただけのような気もする。ビーチで泊まりたい。ただそれだけだったのかもしれない。それに、これまた今思うと、半額になっていたというところで、やった! と思うだけじゃなくて、調べてみるべきだったのかもしれない。
 
でも、キャンピングトレーラーを買うことにした以上、急いでトラックも調達する必要に迫られた。こっちは夫任せ。その時点で発電機能を搭載していたの唯一のトラック、フォードのF150ハイブリッドに決めた。
ヘッド車
 
こうして急ピッチで現実化に向けて事が進み始めたのは、夫のメキシコ駐在中。私もメキシコにいるときだった。最終的な手続きは夫の一時帰国時にすることにして、それまでのざっくりした下取り価格やらローンやらいろんなことは電話とメールで進め、私がオハイオに戻った時に車を持っていって最終的な下取り価格を確認することになった。
 
思い立ったら即行動の夫のペースに巻き込まれながらあれよあれよという間に一気に準備が進んだけれど、トラックは車高も車長もギリギリガレージに収まるサイズだったし、トレーラーはトイレとシャワーが別のタイプだし、何もかもバッチリ! と、その時は思っていたのだが、落とし穴があった。しかも色々。その話はまたの機会に。