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キャンパートレーラー初めての旅:Hocking Hills その2

キャンパートレーラー初めての旅:Hocking Hills その2

朝、コーヒーを淹れるために家でお蔵入りしていたコーヒーミルを復帰させて豆を挽く。2人分で少ない量なのに、意外に時間がかかる。小鍋にお湯を沸かして一杯ずつ淹れるあいだにトースターでパンを焼きたいのに、コンロを使っていると置く場所がない。フライパンで焼くこともできるけれど、においがこもると嫌だからベーコンとトーストは外で夫に焼いてもらった。
 
お弁当にするサンドイッチを作って出発。Hocking Hillsはオハイオの州立公園で、あちこちにハイキングコースがある。ニューディール政策で整備されたコースはすべて無料。
 
たくさんありすぎてどのコースがいいのかわからないから、まずはウェルカムセンターに行って相談した。ウェルカムセンターから歩ける6キロほどの川沿いのトレールを勧められて、今日はそこを歩くことにした。
 
 
Devil’s Bathtubという渦巻きながら流れているポイント、Whale in the Wall、Eagle Rock、Turtle Rock、Lore Fallsなどを巡って、Buckeye Trailを進んで、途中で折れてHemlock Bridge、Honey Comb Weatheringを見て回った。
 
 
お昼は川沿いの岩に座って食べた。なんともぜいたくなひととき。
 
平日だからかほとんど人を見かけない。最初の頃は何度かトレールを見失いそうになってドキッとさせられた。迷いやすいところは木の幹に四角くコースの色が塗られていることに気づいて、それからは不安になることなく楽しめた。
 
あちこちに泉があるのか、晴天でもぬかるんで深い泥になっているところがあちこちにある。そういう場所は馬が歩いた跡のように深い足跡がついている。そんなところを歩いたら靴下まで濡れてしまう。幸い、ぬかるみを避けるように少し高いところへ回り道する獣道のようなものができていた。振り返ってみると、トレールを見失いそうになったのは、こういう分岐の仕組みがわかっていなかったこともあったのかもしれない。
 
ぬかるんでいたり、坂になっていたりするし、若い頃と違って体力が落ちてきているから、トレッキングポールがあったらよかったと思う。
 
 
これは滝の写真なのに間欠泉に見えるという感想もあり。
 
今日の晩御飯はキルバサソーセージのグリル焼きと、インゲン豆のソテーとピラフ。天気がよかったから外で作って、外のテーブルで食べた。ついでに食器洗いも外でしようと思っていたら、外の蛇口は水しかでない。残念。
 
汗を流すためにシャワーを浴びたら、シャワーヘッドも水漏れして水があちこちに飛び散る。どうやらシリコンのパッキンテープの巻き忘れのような感じ。そのうえ瞬間湯沸かしはお湯になったと思ったらまた水に戻る。それから温度が安定するみたいだけど、水に戻るということを知らなかったから寒かった。暖かい日だったし歩いたあとで暑かったから良かったけど、寒い日だったらたまらなかったな。
キャンパートレーラー初めての旅:Hocking Hills その1

キャンパートレーラー初めての旅:Hocking Hills その1

いよいよ初めての旅。トラブルがあったらすぐに帰れる距離がいい。ということで、行き先はオハイオ州を出ずに自宅から130マイルほどのHocking Hillsに決めた。バックしなくてもいい通り抜け式で、電気・水・排水のすべてが揃ったサイトを4泊予約。1泊100ドルちょっともした。これだったらホテルに泊まれる……と思わないでもない。
 
今回の旅の楽しみはハイキング。ミッションはトレーラーの機能をひととおり試して問題ないことを確かめて、本当に仕事できる環境なのかを確認すること。Hocking Hillsは紅葉の季節がきれいという評判だから、秋じゃなかったのが残念。でも蓋を開けてみると春先は蚊もアブもいないし、新緑がきれいで花も咲いていて、とてもよかった。
 
交通量の多いコロンバスを避けるために日曜の出発を選んだ。朝起きて掃除・洗濯をすませて、サンドイッチを作ってから10時頃に出発した。高速道路に入ると、細かい上下の振動がすごい。普通に運転している時はそれほど気にならなくても、トレーラーを引っ張っていると、まるで波打った道路を運転しているような揺れ方をする。こんなに路面の影響を受けるなんて思わなかった。60マイルほど走ったところにあるレストエリアでトレーラーのタイヤと中のものをチェックした。荷物も無事で、滑り止めシートが予想以上に効果を発揮していた。
 
そんな寄り道をしてもチェックイン時間よりも早く到着しそうで、途中のガソリンスタンドで時間つぶしがてらサンドイッチを食べた。念のため運送用の大型トレーラー向けのガソリンスタンドチェーンを選んだ。ちなみに今回行ったのはLove’s。ここはキャンパートレーラー用の下水接続が用意されていることが多くて、店舗によっては下水・電気・水道につなげられる宿泊スポットもある。だからゆったりとキャンパートレーラーに優しい造りになっているところが多い。
 
オハイオは丘も山もなく見渡す限り平地が続く景色が多い。ところが、Hocking Hillsは名前にHillsとあるだけあって、オハイオとは思えない地形である。アップダウンだけでなくて、狭くて曲がりくねった道は山道を思わせる。どんなに後ろに車が連なろうと、とにかく安全第一でゆっくり進んだ。極めつけがキャンプグランドの入口に通じる坂。こんなの登れるのかって思うほど急だった。かなり頑張っている音をたててはいたが、こんな坂でもトレーラーを引っ張って登っていけるトラックを見直した。
 
 
キャンプ場に到着すると、スタッフがATVでサイトまで案内してくれた。コンクリート敷きで、ロッキングチェアーやテーブル、グリルもついているサイト。初めてだからどこまで乗り入れればいいかわからなくて、スタッフに教えてもらって駐車した。私がこうしたほうがいいと思うセットアップの順序と夫が考えていた順序が噛み合わないうえに、全てが試行錯誤だったため、暮らせる体制が整うまでにたっぷり2時間かかった。次からはちゃんとチームワークで臨みたい。
 
セットアップはまず左右を水平にすることから始まる。と、今ならわかるが、その時はよくわかっていなかった。少しくらい傾いてても大丈夫だろう、と適当にしていたら、実はそういうちょっとしたことが大切なのである。シャワーの排水がうまくいかず後悔する羽目に陥った。
 
 
学んだこと:次回のために以下の手順を覚えておくことにした。
  1. トラックとトレーラーを切り離す前に左右の水平を確認・調整。
  2. 切り離した後、前後の水平を調整。
  3. 電気、水道、下水を接続。
  4. バッテリー、インバーター、メイン電源、ポンプをオン。
  5. プロパンガスの栓を開ける。
 
 
今回は水の使用量を把握するため、水道をつなぐ前にタンクの水だけで生活してみた。節水を心がければ3〜4泊分は持ちそうだ。
 
 
平日に入るとキャンプ場はほぼ無人になったが、同じく初めてのキャンピングトレーラー旅という人たちに2組遭遇。一組はゴールデンレトリバー2匹と猫1匹を連れた大型RVの夫婦。子どもの頃からRV旅行に慣れているらしく、何が起きても動じない様子だった。
 
水漏れ問題も今回の教訓の一つである。便器の周囲にじわじわと水が漏れているのが見つかり、洗面所の蛇口からも水がポトリポトリと落ちる音が聞こえたときにはがっくりきた。水を使っていない時にときどきポンプが一瞬作動するのは、ジワ漏れのせいで水道管の圧力が徐々にさがるからだったようだ。どちらも致命的な水漏れではなかったのは不幸中の幸いだった。
 
キャンパートレーラーのカップルもRVのカップルも水漏れに悩まされていた。車外で水が吹き出して水たまりができているのだ。どれも新品の車両なのにこんな問題があるなんて信じられなかった。「最初は問題があるのが当たり前で、それを修理したらあとは大丈夫になる」と会う人、会う人に言われて、そんなものなのかと納得する反面、もしかしたら日本とかヨーロッパだったら起こらない問題なのかもしれない、と思うと複雑な気分だった。
 
夕食は外のキッチンでステーキをグリルし、中でご飯を炊いいた。それにサラダを添えたシンプルな食事だが、狭い室内での節水を意識した洗い物はなかなか大変だった。
 
旅のことを書くはずが、今回はトレーラーのことばかりになってしまった。Hocking Hillsのことは次回へ。
キャンパートレーラー初めての旅:準備編

キャンパートレーラー初めての旅:準備編

キャンパートレーラーを手に入れてから旅に出られる状態になるまでの道のりは思っていたより長かった。木曜日に初めてトレーラーのバッテリーの電源をオンにして、インバーターをオンにすると、いきなりピーーー!という大きな警報音。音の出所はダイニングテーブルの下にある一酸化炭素警報器。それをリセットして一安心、と思ったら、今度は別の場所からピー、ピー、ピー、ピーと鳴り響く。電子レンジの辺りから聞こえたけれど、これは冷蔵庫からで、冷蔵庫のスイッチがオンになっているけど電気もディーゼルも供給されていませんよ、ということらしい。
 
パソコンを買った時のように、クイックガイドとマニュアルがついていたらいいのにと心から思う。バッテリーがどこにあって、インバーターがどこにあるかも、どういう順序でスイッチを入れるのかも、初心者の私には見当もつかない。
 
室内の電気すら、どれが主電源かがわからない状態。正方形のガラスにタッチ式のスイッチが並んでいて近未来的でオシャレな感じはするけれど、ラベルもついていないし説明書もない。いろいろ触って、ようやくどのスイッチが主電源かを突き止められた。覚えてられないからラベルをつけることにして、1つずつ何のスイッチなのかを確かめていくと、こんどは洗面所とシャワーの電気がつかない。他のスイッチを押すと制御パネルから微かな音が聞こえるのに、 洗面所のスイッチはどれを押しても音がしない。Facebookのオーナーグループページで検索すると、どうやらBluetoothのスイッチらしい。電池を替えたら作動するようになったけれど、時々またうんともすんとも言わなくなる。これは困るなあ。
 
 
次は掃除。汚い。新品なのにどうしてこんなに汚れてるんだろうと思う汚さ。しかも、なんだこれは? と目を疑うような仕上がりになっているところもある。クローゼットについているLEDのロープライトが外れてぶら下がっていたから、押し込んではめ込もうとするのにきっちりとは収まらない。できる限りのことをして、見なかったことに。車だったら新車はピカピカだし何の問題もないのに、キャンパートレーラーはどうしてこんなに違うんだろう。
 
小さい空間にしたら収納がたくさんあるけれど、それぞれがとても小さくて変な形をしているうえに、プラスチックの大きな部品が両サイドと奥にあってボックス収納にするとさらにスペースが限られる。仕事に必要なパソコンやモニターを収納するにはどこもサイズが足りない。快適な作業環境をと思って折りたたみ式・キャスター付きの小型スタンドデスクを買っていたのにこれは諦めるしかなさそう。ガッカリ。
 
 
出発するためにはまずはヒッチをつながなきゃいけない。普通のタイプの球状のヒッチではなくて、ポリブロックと呼ばれるタイプのもの。横から見るとコの字になった金属のヒッチの中央のあいた部分に、上下に少し動くゴムのような素材のタングを差し込んで、その両方にある直径1センチほどの穴を合わせてピンを差し込んで固定する。近くまできたら一旦停めて高さを合わせて、そこからさらに少しずつ後退させていく。あらかじめFaceTimeでお互いの声が聞こえるようにするという、本から得たアドバイスがとっても役に立つ。とはいえ、なかなか難しいから、もっと簡単に接続できるタイプのヒッチに交換する予定。
 
 
学んだこと:冷蔵庫は電気が使えないと自動的にプロパンガスに切り替わる。その状態でプロパンガスの栓が開いていなくてガスが流れてこないとアラームが鳴り響く。バッテリー電源が使えない時もアラームがなる。一酸化炭素アラームは太陽光発電のバッテリーがオンの状態で、バッテリーコンパートメントのファンを作動させられないとアラームが鳴り続ける。
わが家のキャンパートレーラー

キャンパートレーラーで旅してみる?

「リタイヤしたら1年くらい旅しながら生活しよう。RVなんていいかもね」それが15年以上前。
 
夫があと1〜2年でリタイヤしようと決めた頃、その話が再浮上した。キャンパートレーラを買って1年くらいアメリカ国内を旅しよう。リタイヤしたらその年に。ワクワク。どんなキャンパーがいいかなぁ。どんな旅のスタイルがいいかなぁ。RV生活をしている人たちのYouTubeを観ては夢がふくらんだ。
 
RVといってもタイプもサイズも価格もとにかくさまざま。私たちの場合、一番の制約はやっぱり価格。大きいものから見てしまうと絶対にそれがほしくなるから、現実的な使い勝手と予算を考えて、それに見合うものしか見ないことにした。
 
どんなタイプにするか。バスみたいなタイプにして後ろに車を引っ張ることも考えないでもなかったけれど、あのタイプはやっぱり高いし、大きすぎる。旅先でも移動しやすいピックアップトラックで引っ張るタイプのトレーラーにすることにした。
 
持っていたシビックとCR-Vを売って引っ張るためのトラックを調達したら、車はしばらく二人で一台体制。あまり大きなトラックだと私が運転できないから、ということで必然的にトレーラーは快適に暮らせる最小サイズになった。
 
そんな頃にブーンドッキングなる言葉に遭遇。大自然の中で電気にも水道にも繋がず完全自立で暮らすこと。ドライキャンピングともいうらしい。砂浜や高台、広大な大自然の中でキャンパー生活をする人たちを見て、夢はどんどん膨らんでいく。私たちもこれをする! そう心に決めた。
 
当時観ていたYouTubeチャンネルの影響もあって、最初は地元オハイオのエアストリームが出しているオフロード仕様のベースキャンプにするつもりだった。ソーラーパネルもついているし、小ぶりで引っ張りやすそう。でもトイレとシャワーが兼用のウェットバスで、手を洗うためのシンクがない。オーニングもオプション。 
 
オフロードタイプで自分たちの予算に見合うものとなると、選択肢はあと一つか二つ。夫がこれがいいんじゃないと言ったもう一つがブラックシリーズのHQ19。オーストラリア生まれのオフロード仕様のキャンパートレーラー。トイレとシャワーが別々で、大きな鏡のある普通の洗面所がある。冷蔵庫も冷凍庫が別になった大きめのサイズで、オーニングも標準装備。外のキッチンもあるし、小さな洗濯機までついている。再販価格が安いとはいえ、私の心はこっちに大きく傾いた。
くろちゃん
 
実物を見比べても、やっぱりこっちがいい。最初は出発の1年くらい前に注文したらちょうどいいかなと話していたのに、半額セールに目が眩んで衝動買い。駐車場代を払ってどこかに1年預けたとしても十分お釣りがくる算段でいた。
 
今振り返ると、オフロード仕様しか見なかった理由がよくわからない。大自然の中に行きたくなった時に行けるようにと思っただけのような気もする。ビーチで泊まりたい。ただそれだけだったのかもしれない。それに、これまた今思うと、半額になっていたというところで、やった! と思うだけじゃなくて、調べてみるべきだったのかもしれない。
 
でも、キャンピングトレーラーを買うことにした以上、急いでトラックも調達する必要に迫られた。こっちは夫任せ。その時点で発電機能を搭載していたの唯一のトラック、フォードのF150ハイブリッドに決めた。
ヘッド車
 
こうして急ピッチで現実化に向けて事が進み始めたのは、夫のメキシコ駐在中。私もメキシコにいるときだった。最終的な手続きは夫の一時帰国時にすることにして、それまでのざっくりした下取り価格やらローンやらいろんなことは電話とメールで進め、私がオハイオに戻った時に車を持っていって最終的な下取り価格を確認することになった。
 
思い立ったら即行動の夫のペースに巻き込まれながらあれよあれよという間に一気に準備が進んだけれど、トラックは車高も車長もギリギリガレージに収まるサイズだったし、トレーラーはトイレとシャワーが別のタイプだし、何もかもバッチリ! と、その時は思っていたのだが、落とし穴があった。しかも色々。その話はまたの機会に。
 
 
旅の豆知識   アメリカ レストラン編

旅の豆知識   アメリカ レストラン編

こんにちは。Masakoです。
この記事ではアメリカのレストランで役立つ10の豆知識をまとめました。旅行や出張の前にぜひ目を通してください。
 
ところ変われば常識も変わる。それはレストランも同じです。
 
少し考えてみてください。たとえば日本のレストラン。私たちは何の疑問も持ちませんが、日本を訪れた外国人にとってはどうでしょうか。「テーブルに塩コショウがない!」「ナプキンは?」「子ども用のフォークしかないって、そんな……」そんな驚きを感じる人がいるかもしれません。
 
私にも経験があります。アメリカで初めてSubwayに行った時のこと。何を聞かれているのかわかりませんでした。英語をある程度話せたにもかかわらず、です。Subwayに行ったことがある人なら、サンドイッチのサイズを選んだら、次にパンの種類を選んで・・・と進むことを知っています。でもこの仕組みを知らないと、思ってもみない質問をされてわかるはずの英語がわからなくなります。まさかパンの種類を聞かれているとは想像もしませんでした。
 
外国語を聞く時は、耳で聞いたことを頭で理解するだけではなく、常識を働かせて情報をくみ取っている部分がかなりあります。聞いて理解できても、何を聞かれているのかがわからなくなるのはそのためです。「文化や仕組みの違いがあるのかもしれない」思いながら聞くだけでも理解度が変わってくるはずです。
 
「知識は力なり」、仕組みを知っていたら英語が苦手でも十分に対応できると強く思ったので、私たちの常識とは違う、アメリカのレストラン豆知識をまとめました。100%すべてのレストランに当てはまるわけではありませんが、頭の片隅においておけばいつか役に立つ日がくるかもしれません。

注文やお願いはテーブル担当の店員さんへ

テーブルに案内してくれるのはホステスと呼ばれる案内担当者で、注文を取りに来るのは別の人です。食器の後片付けも専門の人がいます。
 
注文もお願いも質問も、テーブルの担当者にするのが基本ルールです。近くにいた店員に声をかけたのに来てくれなかった――そんな経験をした人もいるのではないでしょうか。でもそれはないがしろにされたわけではなく、担当者を呼びにいっているだけなのかもしれません。担当以外の人も対応してくれるレストランもありますが、念のため自分のテーブルの担当者の顔か名前を覚えておくといいでしょう。注文の品も伝票もこの人が持ってきてくれます。
 
飲み物のお代わりは? あいた食器を下げましょうか? お持ち帰り用のボックスは必要ですか? 何か必要なものはありませんか? 何度も様子を見にきてくれるはずです。

最初は飲み物を注文

席に着くとまず飲み物の注文を取りにきてくれます。メニューがあってもなくても「お飲み物は何にしますか?」と訊かれます。すごく不思議なのですが、どうやらアメリカ人は飲みたいものがすでに頭の中にあるようです。
 
たとえばコーラ。たいていのレストランはコカコーラ製品とペプシ製品のどちらかしか置いていないところがほとんどです。それでも「Coke(コカコーラ)をください」と注文して、「Pepsi(ペプシコーラ)でもよろしいですか?」と聞かれ、「はい、それでいいです」というやり取りが毎回のように繰り広げられます。
 
テーブルにメニューがなければメニューをお願いして後で注文するようにすればよいでしょう。店によってドリンクメニューとワインメニューが別になっていることもあります。
 
Draft beer(生ビール)はメニューがなくて店員が早口で教えてくれることもあります。Lagarが好き、IPAが好き、軽いのが好きなどと伝えたうえで何がお勧めか聞いてみるのもいいですし、一か八かで最初のやつ、あるいは最後のやつなどと注文するのも楽しいかもしれません。

水は頼まないと来ないこともある

日本では自動的にお水やお茶が出てきますが、アメリカではお願いしないともらえないことがあります。水を頼んだ時に「レモンはいりますか?」と聞かれることがあります。このレモンは無料です。
 
中華料理や和食のお店で温かいお茶をお願いする時は有料のこともあるので注意が必要です。

コーヒーと清涼飲料水はたいてい飲み放題

ほとんどの場合、コーヒーと清涼飲料水は飲み放題です。コーヒーを一杯頼んだら、大きなコーヒーポットがテーブルに届くこともあります。でもたいていはコーヒーポットを持ってちょこちょこと注ぎ足しに来てくれます。
 
コーヒーを頼むと”Regular or decaf?”と訊かれます。Regularが普通のコーヒー、 Decafがカフェインレスです。取っ手がオレンジのカラフェはカフェインレスです。クリーム(コーヒーフレッシュ)や砂糖・人工甘味料がほしいかどうか訊かれることもあります。
 
コーラやスプライトなどの清涼飲料水は、少なくなるとコップごと交換してくれるのが一般的です。

サラダのドレッシングは選べることが多い

サラダドレッシングを選べるレストランがたくさんあります。どんなドレッシングがあるかはメニューに書いてあるのですが、小さな字なので見逃してしまうかもしれません。一般的なのはランチ(Ranch:アメリカで一番人気の白いドレッシング)、フレンチ、イタリアン、サウザンアイランド、ブルーチーズ、ビネグレット、ハウスドレッシング(自家製)です。シーザーサラダでなくても、シーザードレッシングを頼める時もあります。
 
ドレッシングの量を自分で調整したければ、”Dressing on the side, please.” とお願いすれば、ドレッシングをサラダにかけずに小さな容器に入れて持ってきてくれます。

サラダやパスタのトッピングを訊かれることがある

サラダやパスタを注文するときに「何かトッピングしますか?」と聞かれることがあります。鶏肉、鮭、エビなどを追加できます。メニューでトッピングが選べるようになっていれば無料ですが、何も書いていない時は有料です。
 
ちなみに単品のサラダは何人分なのかと思うほど巨大です。メニューになくても頼めばハーフサイズにしてくれる店もあります。また、2人でシェアする場合、シェアすることを伝えると2つに分けて持ってきましょうか、と訊いてくれるところもあります。

ステーキを注文するときは焼き具合を聞かれる

やっぱりアメリカに来たんだからステーキ。色々な種類がありますが個人的には脂のうまみのあるリブアイが好きです。目当ての種類の肉とサイズを決めて注文したら、必ず焼き具合を聞かれます。ラムや鮭、ハンバーガーなどでも焼き具合を聞かれることがあります。
 
中心部が真っ赤でまだひんやりしている3割ほど焼いた状態のレア。それよりももう少し火が通っているけれど中心部は赤い5割ほど焼いた状態がミディアムレア。中がピンク色になっている7割ほど焼いたのがミディアム。お肉全体にしっかりと火を通したピンク色の部分が残っていないのがウェルダン。それ以外にもミディアムウェルやベリーウェルダンといった指定もできます。ラムや鮭などで迷ったら、シェフのおすすめでお願いしますと言えば、向こうで選んでくれます。高級なお店では注文どおりの焼き具合になりますが、カジュアルなお店では頼んだよりもしっかりめに焼いてあること(ミディアムレアを頼んだらミディアムだった)が多い印象です。

付け合わせを選べることが多い

たいていの高級ステーキ店なら、ステーキの焼き具合を指定してお肉の注文は終わりです。本当にお肉だけで付け合わせは別料金で追加することになります。副菜はシェアが前提のボリュームになっているところも少なくありません。

 

もう少しカジュアルなお店だと、希望の焼き具合を伝えてからも注文は続きます。付け合わせは何にするかを訊かれるからです。

メニューのどこかに付け合わせのリストが載っていて、そこから1~2種類を選べるようになっています。リストが2つある場合は、たいてい1つは追加料金が必要になる少しデラックスな品目のリストです。リストに載っていない付け合わせでも、頼めば対応してもらえることがあります。

お持ち帰りは当たり前

あまりにもすごいボリュームで食べきれなかった。ついつい罪悪感をもってしまいますが、アメリカではこれが普通です。レストラン側の理由としては「量を減らすとケチだと思われるから」というのを聞いたことがありますが、真偽のほどは定かではありません。
 
どの店も食べきれなかった分を持って帰れるようにボックスを用意しています。持って帰るときは、テーブルにボックスをもってきてくれて自分で詰める場合と、レストラン側でボックスに詰めてくれる場合があります。

チップはカードでも現金でもOK

たいていの店ではチップの金額をこちらで決めて追加して支払います。例外は大人数の時で、チップ込みの請求になっていることがあります。お勘定を頼んだときに届くレシートを見ればチップ込みかどうかが書いてあります。”Gratuity included”などと書いてあればチップ込みの請求です。
 
現金オンリーの店でなければ、食事代もチップもクレジットカードで払えます。食事代はクレジットカード、チップは現金でというのもOKです。(レストランで働く人にとっては、この払い方が一番いいそうです。)
 
クレジットカードで払う時は伝票の入ったホルダーにクレジットカードを入れると、店員が支払い処理をして署名用のレシートを持ってきてくれます。このレシートにチップの金額とチップ込みの合計金額を記入する欄があるので、ここに記入して署名します。署名したお店用のレシートをホルダーの中に残し、署名欄のないもう1通を自分用の控えにします。

 

いかがでしたか? これ以外にも細かいことはたくさんありますが、まず10の豆知識をお伝えしました。